『長ぐつをはいたねこ』は様々な絵本があって、ついつい読み比べてしまいました。
フレッド・マルチェリーノの絵も楽しいのですが、様々な描かれ方と、内容にもバリエーションがあることを知りました。
そして、グリム童話とペローの童話に同一の話があることも知りました。
スベン・オットーの絵本はグリム版。
読み比べてみるとこのオットーの絵本は、他の作品からするとストレートすぎてちょっと面白みに欠けるかもしれません。
内容はというと、ペローの作品に比べ話の飛躍が過ぎて、違和感を覚えました。
ネコがウズラを王様に進呈しただけで、王様からは抱えきれない金貨を受け取ります。
あまりに話が短絡的でうまく行きすぎています。
他の作品からすると見劣りしてしまうのが否めない感じ。
ネコが主人の名前を伯爵ナンノダレベエなどと語るところは、訳者の矢川さんもちょっと度が過ぎますよ。
同じ矢川さんはハンス・フィッシャーの『長ぐつをはいたねこ』で、全く別の世界を展開していますので、読み比べて下さい。
オットー作品と全く正反対の絵本です。