道端で300円拾ったゾロリ一家は、駄菓子屋で人気のチョコレートを買う。けち臭い卑しい食べ方で、べろべろ嘗めていると、「あたり」の文字が。喜んで景品と交換しに行くと、悪徳大企業の社長と幹部がしかけた罠に…
これを読むと、ゾロリたちが正義の味方のような気になってくるからおかしい。フリーの泥棒一家と、大企業のトップでは悪事の規模が違うが、発想は同じような感じ。むしろ、個人的な幸福を(他人の迷惑を顧みず)追求するゾロリたちの方が、セコイいたずら程度のレベルで微笑ましい。ずるいこと、我よしの発想などは似ていても、悪意の中に殺意があるかないかは明確な温度差となって感じられるのが興味深い。
ゾロリのいたずらも、悪くすると誰かが命を落とす可能性もあるだろうけども、幸か不幸か誰も今のところお亡くなりになっていない(と思われる)のは、結局、「ママに気に入られたいから」とか「きれいなお嫁さんをもらいたい」とかいう動機から発生している行為だからだろうか。
さておき、組織の不正が明らかになりやすい時代。良くも悪くも自業自得で、どう生きたらよいかを一人ひとりが考えなければならない。なんて、かいけつゾロリを読んだ感想としては、不適切な重いテーマを考えてしまった。