名前どおりの「さかなのおいしいレストラン」は、バジルとミントの二匹のねこがきりもりする繁盛店。
そこに、どうしても肉料理が食べたいと言ってきかない我がままな夫人が、やってくるところから話は急展開。
クレーマー対応というより、リッツ・カールトンのような対応をするのでビックリです。
そこで、バジルは肉の材料を探しに、ヤギ、牛、鶏に肉を分けて下さいと頼むのですが、断られるにきまっていますよね。
その三者三様の驚き方、怒り方は、とても楽しく次の頁を思わず早く開きたくなります。
結局、肉は手に入れられないのですが、ミントの機転によって、婦人も大満足させることができ、最後には、ヤギ、牛、鶏とも仲良くなるのです。
ストーリー展開がとても良く練られているので、聞き手を決して飽きさせることのない絵本です。
ネコの社会における「さかなのおいしいレストラン」という設定も、とても素晴らしい発想だと思います。
ページ全体を使って、絵を大きく描いているので、とても迫力のある絵で、しかも表情がとても豊かです。
バジルが肉を手に入れることができず、帰路につくときは、尻尾が元気なく垂れ下がり道に尻尾の跡をつけて歩いていたりして、絵本ならではの感じ方ができると思います。
読み聞かせするのにオススメできる絵本です。