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6件見つかりました
オールズバーグ の作品はどれも不思議な感じがします。 感動とも面白いというのとも違う、魔術の中に取り込まれたような、夢を見ていたような読後感。 高い丘の上にあるヨットの廃船。空を飛んでここに落ちたと言うのです。現実離れしています。 読み終えてみると、話をしてくれた老人がヨットの持ち主であるようです。 ヨット操縦の腕が自慢で、荒海に船を出して遭難。それから、空飛ぶヨットのある世界に入り込みます。 SFのようで、妙に現実に近い風景。だからこそ化かされたような気になってくるのかもしれません。 登場するものは極めてシンプルです。 夕食後の読み聞かせに良いかも知れません。 大人だったら、ゆったりと食後酒を召し上がりながら。
投稿日:2009/12/26
丘の上に横たわるヨットの残骸。 傍らの老人が静かに風変わりな話を語ります。 西風号というヨットが遭難し、乗っていた少年は不思議な光景を目にするのです。 それは浮遊するヨット。 船乗りとしてのプライドで、少年はその操縦法を教えてもらい、 西風号を飛ばせることに成功するのです。 ヨットの名前が西風、この風が物語を操縦します。 浮遊するヨットの幻想的な光景が目の前に広がってきます。 映画館のスクリーンのように、効果音も聞こえてくるようです。 そして、いつものように、味わい深い余韻が読後を包みます。 高慢な少年の行く末をどうとらえるか、なかなか哲学的です。 彼の生き方を評するのは複雑です。
投稿日:2007/11/12
またまた何ともいえない不思議な読後感を期待して、オールズバーグの作品に手を伸ばしてしまいました。 海を見下ろせる高い崖の上に、小さなヨットの残骸。 どんな高波が来ても、乗せることができないであろうそんな場所になぜヨットがあるのでしょう。 ヨットのそばにいた老人が語る伝説とは。 オールスバーグの絵ですので、技術的には素晴らしいのです。 が、抑えられた色調の海・空・雲・夜、どのページをめくっても、その風や空気を感じることができても、私には生気が感じられず、それが逆に不気味さを増して迫ってきます。 期待した通りのもやもや感が残りました。現実なのか、異次元の世界なのか、単なる夢の中の御伽噺なのか… 夏休み中にヨットを眺めながら読む、なんていうのもおつかもしれませんね。
投稿日:2007/08/01
絵本にっぽん賞受賞作品ということで読んでみました。 クリス・ヴァン・オールズバーグさんの作品はどこか 浮世離れした感じで、幻想的なイメージが心地よく、 今回もヨットが空をとぶという まるで映画みたいなお話で面白かったです。 ただ、6歳の息子はおじいさんと少年が結びつけれず、 「このおじいさん誰?」「男の子はどうしたの?」 と、少し理解しにくかったみたいですが、 それまでのお話が面白かったから どうなったか気になるんでしょうね。
投稿日:2019/02/12
幻想的で面白い内容でした。 「船を空に飛ばせる技術」って、いったいどんなものなんでしょう。 ヨットが飛んでいるところを除けば、風景や出来事は比較的写実的に描かれていました。 オールズバーグの絵本のすごいところは、(たいていどの本でも)現実とファンタジックな世界との分け目がとても微妙なのに、その描かれた世界の差は大きいというところではないでしょうか? このお話は少年がヨットで遭難した時点で、後半の展開が読めてしまいましたが、 それでも絵に魅せられて、楽しく読めました。 そして、訳者の村上春樹さんが後書きに描かれている文章も、オールズバーグの作品を読み解くヒントみたいなものがたくさん書いてあって、読み応えがありました。 小学校の高学年くらいから内容を楽しめる都市だと思いますが、お薦めは冒険が好きな男の子やオールズバーグの描く絵に興味のある子どもたちです。
投稿日:2011/11/30
絵の中に、見るものを虜にしてしまうそんな魅力があり、お話の内容も、世にも不思議なモノが多いように思われます。 読み進むうちに、C・V・オールズバーグさんの独特な世界へ引き込まれて行き、ゾクッとする様な、変な緊張感さえ感じてしまいます。 言葉にしては上手く表現が出来ないのですが、恐ろしく素晴らしい作品だと思っております。 男の子でしたら、喜ばれるのではないでしょうか。 美術の本に掲載される程の絵の表現力は抜群です。
投稿日:2006/06/04
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