作者は「あやちゃんのうまれたひ」の浜田佳子さん。内容も、絵のタッチも同様に、とても温かく、子どもへの、または1人1人の命への深い愛情がひしひしと伝わってくる本です。みんなが力をあわせて、たけのこを掘り、たけのこごはんの用意をし、みんなで輪になり、楽しく食べる・・・その中で、娘は最初に車椅子の子に気づき、「(アルプスの少女ハイジの)クララと同じだね。この子も歩けないのかなあ?」と言いながら、1ページごとに、その子を探しては、「あっ、せんせいに おんぶしてもらってるね。」「あそこに すわってるよ。いっしょに たけのこ ほれるかなあ?」「くるまいすで まってるんだね、おともだちのぶんのおはしも もって。」と、娘なりの気遣いが感じられます。また、友達同士、エプロンのひもを縛るのを手伝ったり、ご飯を順番に手渡してあげたりしている、一見何でもないようなシーンにも、娘が自分から気づいて、温かい視線を投げかけている様子に、親としても「やさしい子に育ってくれて、ありがとう」と言ってあげたい気持ちになりました。
そして、この本の1番の楽しみは、「たけのこあそび」。紹介されている遊びを1つも省かず、毎回無邪気な笑い声を立てて、いっしょにやっています。日本のじいじとばあばが送ってくれた小さな薄い羽子板を、たけのこの皮の代わりにして、鬼の角や、あごひげ、鳥のくちばしをつくってみたり、みんなで列や輪になって、たけのこを引き抜いたり、ゆでたりする遊びでは、人数が足りない分、ぬいぐるみたちにも参加してもらって楽しんでいます。
たけのこのことだけでなく、お互いを思いやる心や、自然の遊びのすばらしさなど、様々なことを親子で学べる本です。