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夏休みの1冊にぴったりな児童書に思いました。 大人の言うことをすべて鵜呑みにする小さな子供でもなく、だからって大人でもない。 そんな小学校高学年くらいの子供たちの読書にもぴったりかも知れません。 子供時代に子供が主人公の本を読むことは、心に残るものが何かあるはずです。
投稿日:2021/01/14
訳者あとがきで、「オランダ語児童文学の『今』を伝える作品」と紹介されているとおり、思春期の入り口に立った子ども達の不安や混乱、喜びが瑞々しく描かれています。 子どもが宿るということ、死ぬと言うこと、家族のこと、自分の存在のこと…。 初夏のオランダの島を舞台に繰り広げられる、10歳のサミュエルと11歳のテスのはつらつとした物語に、深く大切なテーマが自然に織り込まれ、無理なく心に沁みてきました。 子どもにも、大人にも、おすすめできる、爽やかで、希望に満ちた一冊です。 *「死」や「にんしん」についての下りがあるので、気になる保護者の方は、子どもに渡す前に、一読されるのがいいかもしれません。子どもの質問に答える準備のためにも。
投稿日:2020/08/14
小さな島に、一週間のヴァカンスにやってきた10歳の男の子、サミュエルは、11歳の女の子テスと知り合います。 二人は、89歳のおじいさんが、大切にしていたカナリアのお葬式を ていねいにおこないます。 テスには、その週とても大きな出来事が待ち構えていました。 少年と少女の純粋な心を通して、家族の愛や、別れ、死などを 真剣に考える作品となっていると思います。 このあいだ、同作者さんの「100時間の夜」を大変興味深く読みました。いまのところ、この2冊しか翻訳されていませんが、どちらも面白く もっと邦訳されれば嬉しいです。
投稿日:2017/05/16
自分(テス)の存在を知らない父親と初めて会う話。 本当にテスの父親なのか、テスは自分が娘だと父親に告げるのか、と思いながら読みました。 テスといっしょに行動する男の子サミュエルが主人公です。 サミュエルにけっこう感情移入してしまいました。
投稿日:2015/09/08
オランダの作家さんの児童書です。 ヨーロッパでは親の離婚や、籍を入れていないパートナーとの共同生活などが結構当たり前のようです。が、子どもたちの立場からそういう生活スタイルを見ると、頭では分かっていてもやっぱり感情が追い付かない部分ってあると思うんですよ。 その証拠に、最近のヨーロッパの児童文学の物語には結構子どもから見た親の話(片親であったり、親のパートナーのことであったり)を描いたものがとても多い気がしました。 この作品もそういう部類の1作です。 日本の子どもたちに比べて、「テス」はかなり行動的な子ですが、見ている側としては、なかなか面白いキャラクターでした。 主人公のサミュエル少年の登場シーンは、休暇でやってきた海辺でお兄ちゃん・お父さんとのやり取りから始まるのですが、その会話の内容がやや唐突過ぎて、会話の後ろに描かれているバックボーンがよく見えなかったのが残念です。 全体的には流れのテンポもよく、ページ数も程よい長さなので、小学校高学年くらいのお子さんたちなら読みやすいと思いました。
投稿日:2015/07/19
あらすじを読んでも、いまいち面白そうじゃないし、今年の課題図書だから手にしたけど、そうでなかったら読まなかったであろう本。 こういった本と出合えるので、課題図書は毎年楽しみです。 サミュエル少年は家族と1週間の旅行に来ていたものの、兄が骨折したために、バラバラにバカンスを過ごしています。 少し前、友人の父親が亡くなって、自分もいつか家族を亡くし、一人ぼっちになるんだと悩み、一人に慣れるために家族との交流をたち、島で出会ったテスと過ごします。 そんないつになるか分からない、遠い先のことで思い悩まなくても・・・と思いますが、そんなところも子どもっぽくて良いです。 一方のテスは父親の存在を知らずに今まで生きてきましたが、ひょんなことから父の名前を知り、今後父のいる人生かいない人生、どちらかを選ぼうと、どんな人か見極めるために、コテージに招待することに。 自分の父親の姿に一喜一憂するテスはとてもかわいらしいです。 そんな濃厚な1週間を共に過ごしたサミュエルとテス。 いつしか一生の友達に。 思春期の複雑な心境や、やさしさが描かれたとても良い作品です。 (でも、これで感想文書くのは大変そうだな〜・・・) テスが父親の名前を知り、インターネットで検索したり、素性を隠して招待メールを送ったり、行動がなんとも現代的です。
投稿日:2015/07/03
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