本のことを初めて知ったのはいつだったろう。
生まれた時からあったにちがいないが、生まれた時のことは覚えていない。小学校にはいって、教科書というものを手にした時が最初なのか、その前に幼稚園に行っていたのだからそこでは絵本はあったはずだが記憶はない。
あるとしたら、本はずっとそばにあった(はず)という感じだけだ。
そして、今はたくさんの本に囲まれている。本を手にしない日は、ない。
けれど、本のことをどれだけ知っているだろう。
「本のことがわかる本」という、このシリーズは子ども向けに書かれていて漢字にはルビもふってあるけれど、3冊ものということで内容はとても詳しい。
その1では、タイトルのとおり、「文字のはじまり」から説明がされている。
でも、そもそも本って何だ?
1964年にユネスコで定義されていたことが、ここには記載されている。こういうことはあまり知らないだろう。そういうことが載っている本だということだ。
「表紙を除いて本文が49ページ以上の非定期刊行物」がその定義だ。
つまり、49ページ以下のものは本来は本ではないということになるが、そもそもこの本自体が31ページしかない。では、これは本ではないかというと、ユネスコの定義には例外もあるということらしい。
そこで、「現代のおける「本」の条件」というものが説明されている。
まずは、「コンテンツ(内容)があること」。次に、「表紙があって製本されていること」。それに「持ち運びができること」となる。
製本といっても、「糸とじ」とか「無線とじ」とかいくつもの方法があって、この本にはそんなことも書かれている。多分大人だってあまり知らないことかもしれない。
それが「本の条件」だとしたら、「電子書籍」は本にあてはまるのだろうか。「表紙があって製本されて」いないじゃないか。
これは紙ができる以前の粘土板やパピルスに文字が書かれていた時代に近い形態かもしれない。
本ではないが、情報を伝達しうる最新の技術として。
本が好きだから、もっと本のことが知りたい。これは恋愛感情に似ている。