「こすずめのぼうけん」 みんなの声

雀と言ういつも近くにいる鳥が描かれているせいか、ずっと日本の作家による絵本だと思っていました。
子どもにとっても、とても身近に感じられる本だと思います。

外の世界に羽目をはずして飛び出して、つらい思いをして、やっぱり一番安心できるのはお母さん。
子どもの心には温かい安心感が広がるお話です。

また、言いつけを守らずに飛び出した子どもに怒ったりもせず、ただ一言「お母さんもさがしていたんですよ」というお母さんの姿は、大人にとっても考えさせられます。

よく遊園地などで、迷子で泣いている子どもと再会して「どこ行ってたの！！」と怒鳴っている親をみかけますよね。
でも、考えてみれば、言いつけを守らず飛び出したために、辛い思いを重ねることで、充分に子どものほうは、親の言いつけの大切さを痛感し、反省できているのかもしれませんね。
だから、再会したときには、この親雀のように、やさしい温かさだけを注いであげることが大切なのかもしれない、そんなことを感じます。

絵もすてきです。
こすずめのクリっとした目がとても愛らしいです。
またこすずめの他の鳥に対する丁寧な言葉遣いにも好感が持てます。
安心して読み聞かせできる本だと思います。

私が幼稚園の頃気に入っていて、よく母親に読んでもらった本です。図書館で表紙を見て懐かしさに思わず借りました。内容もすっかり忘れていたのですが、息子に読んであげながら「あ〜こんな話だったな〜」と話の内容と共に昔の記憶がよみがえってきました。ある日通園途中にハンカチをなくし、泣きながら母親と一緒に探したことがありました。結局見つけることは出来ず。いつまでも泣きじゃくる私に母親が「すずめさんが見つけてオウチに持って帰ったんだよ」とこの本にひっかけてなぐさめてくれました。その言葉に納得して　一気に悲しい気持ちが吹っ飛び　嬉しい気持ちに変わった瞬間を思い出しました。こすずめのお母さん同様、私の母親はどんな時も私の基地でいてくれました。（今もですが・・・）私もこすずめのお母さん　そして自分の母親の様に　どんな時も息子の基地でいなければ、そんなことを考えさせてくれた本です。

素朴な絵本なのですが、子供の冒険心、そしてとても素敵な親子の関係が描かれています。
何ともいえない温かな気持ちになります。

飛ぶことに夢中になってしまったこすずめは、途中で疲れて他の鳥のおうちに休ませてくださいと頼むのですが、違うから駄目といわれ、さらに飛び続ける。辺りも暗くなり、もう飛べないという時にお母さんすずめが迎えにきてくれるお話です。

この絵本を読んで私自身、親として子供が安心して何かできるような寛大さをいつも持ち合わせているだろうかと考えさせられました。
安心して休める場所をどんなに疲れていても提供できる母でありたいとつくづく思った1冊でした。

飛ぶ練習中のこすずめは張り切って前に進みすぎて・・・。
いつの間にかこすずめと同じ冒険に引き込まれます。
それも丁寧な絵と展開する絵のスピード感によるものでしょう。
ラストは母のもとへ、とても安心できる展開ですね。

羽ばたく練習をしていたこすすめがついつい調子に乗ってお母さんの言いつけよりも遠くまで飛んでしまいます。最初は楽しかったのに、だんだん羽が痛くなってきて、いろんな鳥に助けてもらおうとするのに、なかなかうまくいきません。出てくる鳥たちの描写も細やかで、子どもに理解できるのかなと思いますが、息子はぜんぜん意に介さず食い入るように見ています。
最後はお母さんの翼の下で安心して眠っておしまい。ここまで読むと、ぼくも母さんの翼の下で寝ようっと、とぴったり体を寄せてきます。

飛べるようになったこすずめが
自分の巣から出て飛んでいるうちに
知らないところにきてしまいます。
くたびれたので休もうと色々な鳥の巣を訪ねますが
全部断られます。
その会話が全部同じパターンで鳴き声だけが違っているので
小さい子はすぐこすずめの言葉を覚えて一緒に言ったりして
楽しめます。最後はお母さんに会えてよかったです。
お母さんも叱ったりしないのがいいですね。（絵本だから当然か・・）

自分のことを心配して探してくれる人がいること、そして安心して眠れる家があることの有難さを気付かせてくれる本だと思います。娘は、こすずめがお母さんにおんぶしてもらって家に帰る姿を、安心したように笑って見ています。何でも自分でしたがる、でも最後はお母さんに手伝ってもらわないとできない。そんな自分と重ね合わせているんだと思います。

飛び方を覚えたてのこすずめが、つい調子に乗って
「ぼくひとりでせかいじゅうをみてこられる』
と、お母さんの言いつけを破って森の向こうまで飛んでいきます。
だけど途中で疲れ果て、はとやふくろうたちの巣に「休ませてください」と、御願いするんだけど
「なかまじゃないからだめだよ」と断られ続けます。
あたりも暗くなりやっと出会ったのは、優しい優しいおかあさん。

外の世界は、珍しいもの・楽しいこともあるけれど、つらいこともいっぱい！！
やっぱりお母さんの胸の中が1番ですね。
だけど、傷つくことを恐れずに、たくさんたくさん冒険をして
ひとまわりもふたまわりも大きくなって帰っておいで。
お母さんは、どんな時も翼広げて待っているから。
私も、いつも温かく迎えてあげられるママでいられるといいな。
大人にも読んでほしい1冊です。

娘は、こすずめが　かあさんのあたたかいはねの下で眠る、最後のシーンで、
母の腕の中にすっぽりと入り、添い寝してあげると、とても、満足そうな顔をして、にっこりと、私を見て、笑うのです。
きっと、初めて、一人で空を飛び、
色んな鳥たちに出会い、
仲間でないと、巣に入れてもらえない経験をして、
この、母のはねの暖かさを知った、こすずめになっているんだろうなぁと思います。
私が、初めて読みきかせた時、思ったのは、
「三歳の自立」って感じました。
と言うのも、
本当は、たくさんの事を知りたい、見たいって思っているのだろうけど、そうするには、どうすればいいか、分からなくて。
もし、大冒険をしたなら、
必ず、安心して、休める場所が必要であるという事。
それが、母の胸なら、言う事なし・・ですよね？
今は、分からない事、知りたい事だらけなんだろうから、
それに、付き合ってあげられる、母でいたいなぁ・・・なんて思っています。

以前、この絵本が５〜６才児位のお薦めの絵本であることを知りました。それで、図書館で私が選んで、早速読み聞かせをしました。息子は、先に１人で読んでいたらしくて、結論を既に知っていました。
一度読み聞かせを終えたところで、｢もう一度読んで｣とせがみました。珍しいなと思って、訳を尋ねてみると、
｢だって、お母さんが探して、迎えに来てくれるんだよ。何だか、安心しちゃったよ｣
こすずめは、やっと飛ぶことが出来、冒険心からなのか？遠くに飛んで行ってしまいます。不安になって、お母さんの所に戻りたい気持ちが、息子には伝わったみたいです。
やっぱり、お薦め通り、５才には、充分理解出来るお話だったんですね。