おとうさんのちず」 みんなの声

おとうさんのちず 作・絵:ユリ・シュルヴィッツ
訳:さくま ゆみこ
出版社:あすなろ書房 あすなろ書房の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2009年05月
ISBN:9784751525210
評価スコア 4.65
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  • おとうさんがぼくに残したもの

    • かがやきさん
    • 40代
    • ママ
    • 東京都
    • 男の子10歳、男の子7歳

    これは戦争のお話です。
    でも、戦火の様子や、戦場が舞台ではありません。

    戦争のせいで一般市民がどれだけ苦労することになるのか、
    間接的に描かれていると思います。

    でも、悲惨な中でも、ぼくは、お父さんのお陰で
    お父さんが買ってきてくれた地図のお陰で
    心豊かに過ごすことができたのです。

    お父さんは、ぼくがこの絵本を描けるだけの力を与えてくれました。
    ぼくは地図一枚で素晴らしい時間を過ごせたわけです。

    心の持ちようで人生を変えられる!
    そんな前向きな気持ちを伝えてくれる力強い絵本です。

    高学年なら、この気持ちが理解できるのでは。
    是非読み聞かせに読みたい一冊です。

    投稿日:2010/09/16

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  • 戦時下空腹を超えて

    • レイラさん
    • 40代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子16歳、男の子14歳

    『HOW I LEARNED GEOGRAPHY』が原題。
    『よあけ』『ゆき』の作者ユリ・シュルヴィッツの自伝的作品です。
    ポーランド生まれですが、戦時下の空襲でトルキスタン(今のカザフスタン)に移住していた
    4〜5歳の頃のエピソード。
    貧しい異国生活の中、「ぼく」のお父さんは買い物に出かけ、
    パンの代わりに大きな世界地図を買ってきたのです。
    お腹をすかせた「ぼく」は父を恨みますが、
    やがてその地図のおかげで世界中を想像することができ、
    ひもじさも貧しさも忘れることができたのです。
    不思議な地名の中には、日本のものも含まれているようで、
    妙な縁を感じてしまいます。
    『よあけ』『ゆき』の時に感じた、静寂の世界観が、何となく理解できたような気がしました。
    戦時下にあっても、子どもらしい生き抜く力が、彼の画才の原点のような気がしました。
    自身が10才、13才の時の絵が巻末にありますが、
    この完成度を見るだけでも、戦時下を生き抜いた子どもの姿が伝わってきます。
    また、お父さんの決断にも考えさせられるものがありました。

    投稿日:2010/08/16

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  • シュルヴィッツの実話が心に響きます

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    題名とユル・シュルヴィッツの作品であることに惹かれて読みました。
    ユリ・シュルヴィッツはコールデコット賞を三度も受賞しています。

    せんそうで あちこちが ひの うみに なり、
    たてものが くずれおちると、
    ぼくの かぞくは なにもかも うしなって、
    いのちからがら にげだした。

    という書き出しで始まるのですが、ユル・シュヴィッツの実話です。
    第二次世界大戦の1939年のポーランドから、トルキスタン(今のカザフスタン)に逃げだしての生活を描いたもので、4歳〜5歳の頃の物語。

    おなかをすかして食料を待っていたぼくに、おとうさんが買ってきたのは世界地図。
    つらそうなおかあさんとおこったぼく。

    でも、その世界地図で、ぼくが想像したり、絵を書いたりする様がとても生き生きと描かれていて、絵本作家になるきっかけになったのではないかと思いました。

    トルキスタンでの貧しい暮らしぶりは、とても想像の出来ないものであって、戦争のもたらすものを、端的に教えてくれます。
    戦争そのものの絵よりも、こうした現実的な絵の方が、心に響くのではないでしょうか。

    そして、おとうさんが地図を買ってきた行為は、ぼくに生きる希望を与えてくれただけでなく、将来にも大きな影響を与えています。
    おとうさんが、何処まで意図したのかわかりませんが、こんなおとうさんでありたいと思わざるを得ませんでした。

    小学校高学年をオススメ対象とする方が多いのですが、ぼくと同年代のお子さんにも読んで欲しい作品です。
    もちろん、戦争の意味は分からないかも知れませんが、こういう生活をしている子ども達もいるのだということを知るだけでも、価値があることだと思います。

    心に残る作品なので、幅広い年齢のお子さんにオススメします。

    投稿日:2010/06/16

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  • 作者の ユリ・シュルビィッツさんは 1935年に産まれて 4才で戦争に遭遇していたのです
    彼が経験した戦争の思いを 絵本にして 大好きだったお父さんの思い出に・・・

    当時のポーランドの戦争の様子 住まいがよく分かります戦争で何もかも失った悲しみ  それでも命は助かりお父さんは パンを買いに行ったのですが・・・・

    なんと 地図を代わりに買ってきたなんて おなかをすかせた子供には許せないですよね 

    私もお父さん恨んでいたと思うのです

    でも この子も お父さんも夢のある人だったんだと思います
    大きな地図を 眺めて書き写しているうちに、なんと まほうの呪文となえて こころが 世界中を駆けめぐっていくなんて すごい!!

    砂漠 海 雪山 南国 まほうの時間を過ごせたことで お父さんを許していたこの子 「お父さんは 正しかったんだ」すごい優しくて賢い子供だと思います

    地図が 教えてくれた 夢!

    賢い子供だったから、 小さいときから アフリカの地図を便せんの裏紙に描いていたなんてすごいですね

    この絵本は 大人も そして小学生の子供たちにも読んで欲しいと思いました!
    そして 今もなお 戦争で苦しんでいる人のいることを心にとめて 
    読みました

    私のお気に入りの絵は

    地図の上をとんでいる 絵が好きです なんだか 世界中を旅したくなる気がして ウキウキするのです

    投稿日:2010/03/15

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  • 人生でたいせつなもの

    ある日、わずかなお金でお父さんが買ってきたのは、パンじゃなくて
    大きな地図だった。地図は食べられない。おなかをすかしたぼくはお父さんに腹をたてた。でも、壁に貼られた地図を毎日ながめていると、
    狭い部屋から飛び出して、想像の世界で自由に旅を愉しんでいるぼくがいた。戦争の悲しみやひもじさを感じることも日常ではほとんどないけれど、絵本を閉じた時、確かに子どもの心になにか人生でたいせつなものをこの本は伝えているように感じた。地図の色がきれい。

    投稿日:2010/02/05

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  • ちずから読み取ったもの

    戦争で故郷も家も今日食べるものさえ失った家族

    パンを買いに行ったはずのおとうさんが買ってきたものは
    ちずでした。

    お腹がみたされず、おとうさんをゆるさないと思った息子が
    壁一面のちずをみて、イメージで世界中を旅します。

    色もなくすなぼこりのたつ暗いすみかで
    ちずの彩りがあふれたとき、
    どんなにぼくにとって生きる夢を与えられたことでしょう。

    ぼくと絵本の中で、いっしょに旅をし、
    最後には心が満たされ、希望が感じられる絵本です。

    ユリ・シュルヴィッツのおとうさまは、
    いっときお腹を満たす満足よりも
    これからの人生を満たすことへのしあわせを、
    息子に与えたかったのかもしれません。

    何度読んでも、じんわり心にあたたかさがひろがります。

    物があふれた現代のわたしたちへの問い返しとして
    受け止めました。

    投稿日:2009/10/25

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  • 何物にも代えがたい心の豊かさ

    ユリ・シュルビッツの自伝的絵本ということで前から読んでみたかった作品です。

    戦争は戦争の時だけが悲惨で苦しいだけでなく、復興期と言われる戦後の時代も苦しいということが伝わってきます。

    食べるものもなくお金もなくひもじい生活を送る中、父が買って来たのは一枚の地図。

    実際的な人ならとても思いつきそうにもないこのお買いもの。

    ひもじくても貧しくても、心が豊かであることは何物にも代えがたい、そして想像することで世界が広がる素晴らしさを感じました。
    大人も読んでもらいたい本です。

    投稿日:2009/08/30

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  • おとうさんのおしえてくれたこと

    「おとうさんのちず」というタイトル。
    自伝的な絵本だけにとても気になりました。
    そして、原題「How I Learned Geography(僕はどうして地理を学んだか)」を見て分判りました。
    お父さんの買ってきてくれた地図が、シュルヴィッツさんの原点だったのです。
    戦争で家を追われカザフスタンで生活していたとき、食べるものを買いに出かけたおとうさんが、食べ物の代わりに買ってきた地図。
    とてもすごいと思いました。
    自分だったらどうするだろう。
    地図を買って帰ったら、家族はどうするだろう。
    シュルヴィッツさんも、そのまま受け入れることはなかったけど、地図を見ているうちに思いが変わっていったのでした。
    でも、これだけの想像力、世界への関心。これは、おとうさんの力だと思います。
    お父さんは地図を買ってきただけではなく、いろんなことを教えてくれたのです。
    少年時代の思い出が、今の自分を支えているのはとても素晴らしいことです。
    絵本の最後に書かれている、著者の自分史。
    10歳の時に描いたという地図。これは、10歳にしてそう簡単に書けるものではなく、しっかりと自分の中に地図ができているということです。
    13歳の時に書いたという、トルキスタンの中央市場を思い出して書いたという絵。これは、絵本の中にしっかり組み込まれています。しかも、「とこ屋」「きっさ店」のロシア語もしっかり刻まれて。
    自分って、少年時代にしっかりと培われているのですね。

    投稿日:2009/09/15

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  • 貧しい時に大切なもの

    • こりえ♪さん
    • 30代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 女の子2歳

    戦後、貧しくて食べ物もろくに買うことができなかった父は、パンの代わりに一枚の地図を買ってきます。

    貧しい時に大切なものといえば、やはり真っ先に食べ物が浮かんできます。
    でも他にも大切なものがあるんですね。

    このお話は作者自身が、子供の頃体験したものだと知り、驚きました。
    戦争という苦しみ悲しみを乗り越えて、夢と希望を持って生きた少年。
    その少年が今の子どもたちに、絵本を通じて同じ思いを抱かせてくれることが、とてもうれしく感じました。

    投稿日:2009/07/18

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