ラングという人はイギリスの文学者(民俗学者)で、この全集には世界各国のフェアリーテイル(妖精の物語)を集めて編集したものです。
他の地域に伝わるお話に比べてやや甘ったるい内容に感じるのは、ラングがあえて「フェアリーテイル(妖精の物語)」と題している点にも表れている感じがします。
少し前のドイツでは、グリム兄弟が同じように各地にまつわる昔話をを編集しています。(有名な「グリムの昔話」)
当時の文学者(民俗学者)たちには、こういった昔話の収集が流行りだったのでしょうか?
ともあれこのシリーズは、グリムやそれぞれの国に伝わってきた昔話や民話と話一味違った「ラング」脚色によるちいさな昔話の童話集です。
第1作の本書には、「カーグラスの城」「世界でいちばんすばらしいうそつき」「いのちの水」「王子とはと」「くま」「七人」「フォーチュネータースとそのさいふ」「魔法のナイフ」「二ひきのかえる」「花さく島の女王」「空をおよぐさかな」「ローズマリーの小枝」「さかなの騎士」「ふしぎなこじきたち」「ろばの皮」「三人の王子とそのけものたち」「ながい鼻の小人」が収録されています。
1編1篇短い話なので、寝物語にお子さんたちに読んであげるのもいいかと思います。
優しい言葉で語られているし、不思議な魔法やいろいろな妖精があちこちに登場するので、想像力を働かせて、楽しく聞くことのできる物語だと思います。
個人的には「さかなの騎士」と「ながい鼻の小人」の話が面白かったです。