賛否両論が多いのでびっくりしました。これは確かに教訓めいた絵本。画家が絵本を作るとこういう傾向はあると思います。子どもはきらきら光るうろこに引かれているようですが。イラストはため息がでるほど美しいです。
絵本の内容は、社会的な人間関係を築くときに、した方がいいこと、すべきでないことを教えてようとしています。米国に住んでいると、本当に基本的な人間関係のマナーを教えられずに成長する社会層の子どもたちもいることから、ここはあっさり割り切って、こういう魅力的なキャラクターによって「正しいこと」とか「間違っていること」という、本来なら小さな頃から家族が教えるべきことを、この絵本がかわって教えてあげるのもいいのではと思いました。うちには英語版しかないので日本語訳がどう響いているのかわからないのですが、こちらのプレスクールなどでは、上記のような目的でよく利用される絵本です。それだけ、そういう子どもたちが多いってことなのかも知れませんが。
確かにこっちでも評価はまっぷたつに分かれていますね。教訓になってしまうと、絵本としては魅力半減。でも、このイラストの美しさ、魚たちの表情がそこを救っている感じがします。
Rainbow Fishのキャラクターはお誕生日のパーティーセットでも人気があって、わたしも息子のお誕生日に揃えてみようかなと考えたほど。また、この指人形は、一方にきらきらうろこがたくさん、一方にきらきらうろこ1枚という気のきいたもので、とっても可愛いですよ。(浅はかにも「モノ」に魅せられてしまってます。)
もし、このにじうおのように、社会的なマナーを知らない子どもたちがいて、その子たちがこの絵本によって何かを得るのであれば、それはそれでこの絵本の使命が果たされるのでは……と、考えています。