確か、木を掘って仏像を作る人で「もう最初から仏像が中にいるから
それを掘り出していけばいいのだ」と言っていた人がいたかと思うの
ですが、その言葉を思い出してしまいました。ジェラルディンが
チーズをかみとっていくと、登場するフルートをふいているねずみの
姿に。
そんな風にしてできあがったちょうぞうも素敵ですし、そのねずみが
美しい音楽を奏でてくれるのも素敵です。
でも、もっともっと素敵なのは、その音楽をジェラルディンが自分の
ものにしてしまったこと!自分の中に残れば、それはきっと一生持ち
続けていられるのだと思うし、チーズは他のねずみと一緒においしく
おなかいっぱい食べることができるものね。ピアノを習っている娘の
心になにか響くかな?と思いながら読んだのですが、特になにも残ら
なかったようです。こんな不思議で楽しい感覚がいつか娘の中にも
うまれますように。