いろいろなところで「感動した」と書かれている作品なので、
正しく感動できるかどうか、ドキドキしながら読みました。
ストーリーは大体分かっていたけど、
想像以上に絵がやさしい。やわらかい線で色がきれいですね。
前半は、色彩豊かでかなり絵が描きこまれている感じ。
後半は、空や緑を背景に人物(というか猫)が描かれ、シンプルな感じ。
猫はいろんな飼い主と出会い、ペット扱いされる。
身分の高い人(王様)、犯罪者、男性、女性、大人、老人、子ども。
もみくちゃにされて、結構ひどい目に会うが、
「しぬのなんかへいきだった」ときたもんだ。
飼い主は、身構えたタイプから素朴な方へと変化していってるのかな。
ある時、猫はペットをやめて、初めて自分自身の人生を生きる。
そして愛する者との出会い。
猫も力に頼らず、シンプルに生きることを知る。
そして最後のページ、風に揺れる花々がとてもやさしい。
愛する対象、守るべき者がいてこそ幸せがあるのは、猫も人間も同じなんだね。