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くまとやまねこ」 10歳のお子さんに読んだ みんなの声

くまとやまねこ 作:湯本 香樹実
絵:酒井 駒子
出版社:河出書房新社
税込価格:\1,430
発行日:2008年04月
ISBN:9784309270074
評価スコア 4.71
評価ランキング 1,416
みんなの声 総数 68
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10歳のお子さんに読んだ みんなの声から

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  • 重いテーマを綴った絵本

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 広島県
    • 男の子12歳、男の子6歳

    絵は「よるくま」で知られる酒井駒子さん。
    文の湯本香樹実さんは、映画になった小説『夏の庭 The Friends』がつとに有名です。

    物語は、仲良しだった小鳥が死んで、悲しみに暮れる熊のシーンで始まります。
    小鳥の死を現実のものとして受け止め切れない熊は、小鳥の亡骸を小箱に詰めて持ち歩くようになるのです。 
    その行為に森の仲間は閉口し励ますのですが、とうとう熊は心を閉じ、家に引き篭もってしまうのです。
    ある日、久しぶりに良いお天気に誘われて外に出ると、山猫と出会います。
    この出会いから大きく舵を取り、最後は、熊は山猫と旅立つのです。

    死という重いテーマを描いた作品です。
    大切な人が亡くなった時、誰の慰めも届かないことがあるもの。
    やはり、自分自身で立ち直るしかありません。
    死というのは、終わりではなく、何かの始まりとは良く言ったもので、熊は山猫との旅立ちが始まったのです。
    最後のページの二人の後姿に、明るい未来が期待できそうな感があり、余韻の残る終わり方が良かったと思います。

    灰色の紙にモノクロームで描かれた絵は、死というテーマに相応しいものでしょう。
    ところどころ、絵がないページがあったり、逆に文章のない絵があるのも、巧妙な仕掛けだと思いました。

    子供の読み聞かせというよりは、自らが読んで考える類の絵本です。
    対象年齢は難しいところですが、小学校高学年位からが適齢かと思います。

    投稿日:2011/08/24

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