マーシャ・ブラウンが28歳の時のデビュー作。6色の限られた色だけを使った、すっきりとした印象の絵本です。
ニューヨークのサリバン・ストリートに一人の男の子がいました。遊び友だちもいず、自由に使えるお金もなく、一人でお留守番です。つまらない!
そんな時、メリーゴーランドがやってきました。なんて、心躍る、メリーゴーランド!!男の子もみんなと一緒に、通りに飛び出しました。お金を持っている子どもたちは次々に乗っていきます。音楽にあわせ、メリーゴーランドは回ります。男の子は見ているだけ。それでもすべてが夢のよう。すると、メリーゴーランドのおじさんが・・・。
男の子のつまらない気持ち、わくわくする気持ち、うらやましい気持ち、そして嬉しい気持ち、感謝の気持ち。読み手は男の子と一緒に様々な感情を味わいます。それがこの絵本の魅力だと思います。おじさんの優しさも温かく、嬉しいです。
最後にメリーゴーランドは、さっと行ってしまい、話はおしまい。終わり方も見事。