小さな菜園を始めて4ヶ月が過ぎました。
トマト、キュウリ、ナスといった夏野菜の収穫も最盛期を終え、そろそろ次の季節の野菜の準備が始まります。
野菜と絵本という取り合わせもなかなかなもので、それは子どもと野菜の取り合わせがいいということの証明かもしれません。
野菜が嫌いな子どもは多いですが、野菜を育てることで野菜の素晴らしさに触れることができるような気がします。自分が育てた野菜だから、本当の味がわかる。
菜園で楽しそうに収穫している子どもたちを見て、そう感じるようになりました。
この絵本は当然子ども向けに描かれているのですが、とってもしっかり野菜のことが描かれています。
夏休みにはいった主人公の女の子ソフィーは田舎のおじいちゃんおばあちゃんのところに行きます。そこには広い畑があって、町のスーパーで売られている野菜の姿しか知らなかったソフィーを驚かせます。
その畑でソフィーはいろんなことを学びます。
例えば、テントウムシのこと。テントウムシは野菜についたアブラムシを食べてくれるということ。実際アブラムシはたちまち葉を真っ黒にしてしまうくらいの勢いがありますが、テントウムシが退治をしてくれます。テントウムシは姿もかわいくて、子どもたちも大好き。それに野菜にとって正義の味方だとくれば、子どもたちの目の色も変わります。
そういう話も、この絵本にはきちんと描かれています。
畑は暑い日もあれば雨の日もあります。強い風が吹く時もあります。
そんな時それぞれに野菜の顔があります。風で倒れてしまったトウモロコシのこともこの絵本では描かれています。
作る人の大変さがソフィーには徐々にわかってきます。
夏だけでありません。冬の準備をする時のこと、雪の日の畑のようす。一年を通じて畑の表情が変わっていきます。
この絵本にはとても大きな特長があります。
野菜たちの姿が地上だけでなく、地中の根の様子まで描かれていることです。きっとこの絵本を読んだ子どもたちは、土の中で育つ野菜は見えないけれど、「知ってる」ってちょっと自慢したくなるのではないでしょうか。