「子どもとお母さんのおはなし」には、3冊の本がありますが、「こぎつねコンチ」は、娘が3歳の頃からのお気に入り。それこそ何百回読んだかわかりません。どちらも、子どもはとことん子どもらしく、お母さんはどこまでも大らかで温かく・・・そんな子どもとお母さんの日常が生き生きと描かれた作品です。
特に、「けんた・うさぎ」のほうは、娘も共感する部分が多いのか、とにかくけたけたと声を立てて、よく笑います。6つのお話に分かれていますが、どれも省けないくらい、感想もたくさん!
いたずら・うさぎ
いつもは、てきぱき、しゃきっ!の娘も、朝はふにゃふにゃ、眠い、眠い。だらんと伸ばしたふにゃふにゃの足をズボンに通して・・・まるでけんたそっくり。ずっと「あまえんぼ・うさぎ」のままでいてほしいな、と思ってしまう朝の光景です。
何でもお父さんの真似をしたがるけんた・うさぎにげらげら。三輪車で水溜りに突っ込み、「どろんこ・うさぎ」になったけんたにまた笑い転げ、本当に最後まで笑いが止まらないお話です。
あべこべ・うさぎ
何でもあべこべのことを言うのが可笑しくてたまらない! 娘は純粋にひたすら笑い続けていますが、私はうさぎ・かあさんに感心することしきり。
Tシャツの腕に足を通し、耳にズボンをはいたけんた・うさぎ。「何やってるの、早く食べなさい!」と雷を落とす代わりに、にんじんをけんたのいすに座らせ、「にんじんさん、どうぞ あべこべ・うさぎを めしあがれ。」と、澄ました顔で言ううさぎかあさん。すると、けんた・うさぎは、「だめ、そこはぼくのところ」と、慌てていすに座ります。
うさぎ・とうさんも同じようにちゃんとあべこべ・うさぎに付き合って、仕舞いには、「ぼく、もうやあめた。あべこべ・うさぎは、もうやあめた。」ってことになります。さすが一枚も二枚も上手ですね。
親子のやりとりがなんとも微笑ましいお話です。
きえた・うさぎ
自分が目をつぶっていれば、相手からも自分が見えない・・・小さい子どものかわいらしさですよね。
「せっかくセーターできたのに、けんたが きえた・うさぎじゃあ どこにいるのかわからない。セーターはみみちゃんにあげましょう。」と、うさぎ・かあさん。私もよく使う手なので、娘はくすくす。私はちょっとうれしくなりました・・・うさぎ・かあさんでも、度々このセリフを口にするんだぁ(!)と。
でも、このお母さんの気長さと賢さは、ここから。今度はお母さんが目をつぶって「きえた・うさぎ・かあさん」になってしまいました。けんた・うさぎは、「おかあさん、きえちゃだめ!」と、必死。娘も笑いが止まりませんでした。
子どもとのスキンシップを自然な形で実践しているうさぎ・かあさん、とっても素敵です。
他の3つのお話も同じくらい楽しいエピソードが盛りだくさんでした。子どもが小さいうちに、ぜひ読んでおきたい1冊です。