算数の苦手なお子さんも、得意なお子さんも、知っているようで知らなかった数の歴史や数にまつわるいろんなことが分かる絵本です。
まず、こんなに面白い数の話を「絵本」という形にまとめてくれた作者や出版社に拍手です。
私自身、『理数』は苦手です。
でも、『歴史』は好きなので、こういう風に、文明とともに進化してきた『数学』を一つの文化や技術の発展として教えてもらえると、意外とすんなり頭に入ってくるから不思議です。
要所要所にはその時テーマに挙げている数の数え方を使ったクイズもついていて、クイズ好きの人にもまた別の楽しみ方が出来そうです。
ほんとにいろいろわかって面白かったですが、中でも印象深かったのは、ドイツのガウスという数学者が小学校の頃に編み出した“エレガント”な足し算方法。
「1から100までを全部足すといくつになる?」という学校の問題で、普通なら、1+2+3+……と、足していくところを、
ガウスは1+100、2+99、3+98……と、足していき、そのままでは倍足したことになってしまうので、最後に2で割って、答えを出したというお話。
頭にひらめきを持っている人は違うんだなぁと、感心しました。
内容は、実によくかみ砕いでわかりやすく「数学」のことを書いてくれているので、興味さえあればとても楽しく読むことが出来ますし、「数学(算数)」が少しくらい苦手でも、この本を読めば苦手意識も変わるような気がします。
小学校の高学年くらいからおすすめします。