この本は、今年(2018年)の青少年読書感想文全国コンクールの「課題図書」の、小学校低学年の部に選ばれた一冊だから、読んだ人も多いと思います。
毎年、夏が来る頃、各出版社の文庫フェアと、この「課題図書」が楽しみで、一体どんな本が選ばれるのだろうか、そしてそれはどんな本だろうかと、とっくに子供ではなくなりましたが、今でも興味があります。
はせがわさとみさんは、この本のおわりの著者紹介によると、絵本のワークショップで絵本創作を学んで、すでに何冊も絵本を出版している絵本作家です。
でも、この本は絵本ではありません。
素敵な絵もはいっていますが、絵本というより童話という方がいいように思います。
文章が少しだけ長めに書かれています。なので、字をたくさん覚え始めた、つまりは読みたくて読みたくて仕方がない子どもにはふさわしい一冊になっています。
お話は森の奥に住んでいる一匹のあなぐまが友達のために畑でおいしいものを作ろうと決心するところから始まります。
まず初めは、こぶたにじゃがいもを作ろうとします。でも、残念なことにこぶたも自分の畑ですで作っていました。
仕方ないので、次はりすにりんごをあげることにしました。でも、今度も残念なことにりすの裏庭でりんごがどっさりとれるそうです。
こんなふうに次から次へと友達の好きそうなものを作ろうとするのですが、いつも失敗。
さあて、あなぐまは最後に何を作ったでしょう。
とっても素敵なものは、結局はあなぐまが「いちばんつくりたいもの」だったのですが、その答えは裏表紙にありますよ。
さて、わかるかな。