主人公のもみの木は、森の中でお日さまの光を浴び、気持ちの良い風を受けて、幸せに過ごしていました。
でも、それを幸せだとは感じていませんでした。
「ああ、 ぼくも はやく おおきくなりたいなあ」
と、考えてばかりいました。
お日さまが、
「わかいときこそ、 すばらしいんだよ。 ずんずんのびて、 そだっているときこそ、たのしいんだよ」
と言っても、もみの木はそれを受け入れませんでした。
一番幸せな時を楽しまずに、年老いてしまったもみの木。
最後にかまどで燃やされるとき、後悔のため息をもらしたもみの木。
幸せのハードルを上げ過ぎると、今の幸せを感じることができません。
幸せの時はいつまで続くか分かりませんから、ハードルを下げて、楽しめるときに楽しんでおかないといけませんね。