優しさ溢れる素敵な絵本。
温かさとともに、野山で遊んだ穏やかな幼い日の記憶が蘇えり、懐かしさを覚えました。
外国の絵本ですが、日本の良き時代の子ども達の姿がえがかれているように感じました。
滑り台を壊してしまったフンパーディンク。みんなが怒っても不思議じゃない状況なのに、わざとじゃないからって優しく寄り添う子どもたち。フンパーディンクの好きなことをしようって考えてあげる子ども達。そうだよね。みんなが仲良く暮らせるには、どうすればいいのかって、子どもたちの方がよく知ってるんだよね。人間本来の優しさや思いやりを、子どもたちはみんな持っているのに、大人になるにつれ、どうして無くしていくんだろう。
ドスンドスンと音を立てて歩いていた フンパーディンクが、子ども達を背中に乗せた後は、そろりそろりと歩く場面も温かくて大好き。ジャングルで遊ぶみんなの、楽しそうな笑顔といったら!
日が暮れるまで野山を駆け巡っていた幼い私達も、きっとこんな素敵な笑顔だったんだろうなあ。
災害や事件が後を絶たない世の中で、ずっと笑顔でいるのは難しいけれど、こんな素敵な絵本に出会うことで、心に暖かな風が吹いたなら、明日への希望が湧いてくるのではないかと思います。多くの方に届きますように。