キンダーおはなしえほん34集 2000年5月号
まだまだ布団の中でまどろんでいたい時間、朝日が昇る時間。
たったったっ たったったっ
いつもの あしおとが きこえてくるよ。
「いつもの あれだな」とまだ夢のなかのクマさん。
洗濯の真っ最中のアヒルさん、仕込み中のパン屋のカバさん……朝シャン、徹夜明け、すべての人の元へたったったっ。
さぁ、誰の足音でしょう。
私も時々聞いてしまいます。娘はなぜか夜明けに起きてグズグズいう事がよくあるので、この足音も聞いているに違いありません。
淡くかわいらしい絵柄が爽やかな森の朝をほうふつとさせ、ラストのロング縦開きは、いっぺんに朝がきたような心理的盛り上がりを見せます。
まさか仕掛けページがあるとは思いもよらず、娘もわっと嬉しい声をあげていました。
いろいろあって疲れたおやすみ前でも、心新たに良い朝がくることを信じられるような絵とお話です。
こんな朝を迎えるため、早目にグッスリ寝て、気持ちよく起きようね。寝ない我が子よ。