タイトルを見て、青山先生の描かれる「西欧のお城」にワクワクしながら読みました。
小さな国が、領土拡張に意欲的な隣国に攻められぬようにと、見晴らしの良い丘に築城を始めます。
ところが工事は遅々として進まず、王様はイライラし癇癪を起こす有様。
ある朝、皆が驚くことが。
なんと一夜にしてお城が完成していたのです。
不思議な事とは思いつつ、王様は背に腹は換えられぬとばかりに住むことに。
ところが、お城の中で度々食べ物がなくなるのです。
お城を建てたこの丘はもともとゴブリンたちのすみかだったところと、大臣から進言をされた王様は、ゴブリン退治を城じゅうに命じます。
見事に垂直に切られたお城の断面図。
一目瞭然のお城の様子は、大人がなかめても楽しめます。
ゴブリン退治もままならないうちに、隣国の兵士たちがお城の中に入り込んできて、王様の国は大ピンチ。
意外なことに、この城を救ってくれたのがゴブリンたち。
なんていったって、この土地はゴブリンたちのものですからね。
思いもよらぬところから飛び出し戦うゴブリンたちの様子が、次の断面図でながめられ、これもまた楽しいんです。
息子は、食べ物がなくなる各ページで隠れているゴブリンを見つけ笑っていました。
ラストのゴブリンたちへのごちそうや遊び道具をお供えしている様子も楽しめました。
青山先生の微細な描写に唸りながら一冊を堪能しました。