表紙絵に圧倒されました。
闇夜にキラキラ輝く羽。
蛾と言えば、蝶に比べて地味な存在だけに、意外に知識がないものです。
今作では、イギリスに生息するオオシモフリエダシャクという蛾を取り上げ、
進化の様子を解説してあります。
オオシモフリエダシャクの羽は、最初はその名の通り、薄い色だったのが、濃い色になっていくのです。
さらには、また薄い色も出現。
まさに、自然淘汰、進化の様子がはっきりと伺えます。
人間による環境の変化にたくましく「生きる」姿が浮かび上がります。
そして、それは今も続いていることがよくわかります。
今は色が混在しているということで、視覚的に進化を感じることができる好例ですね。
しかも、この現象を「希望」と締めくくるところが素晴らしいです。
小学校高学年から大人まで、良質の科学絵本として。