主人が気に入って買ってきた一冊。
旅行に行く荷造りで、ついうっかりと忘れられてしまった人形ビルが、主人であるメリーを追いかけていきます。
主人が気に入ったポイントが、ビルの心情は文章では書かれていないのですが、見事に描かれているところです。
お出かけのお誘いの手紙を受け取ったとき、ビルは手紙の上に直立して早くも行く気満々!
もちろんかしこいビルはおいていくわけにはいかないし、とメリーが話しているときはシンバルをならして喜び、ついに忘れられてしまったときには、涙が水たまりを作っています。そしてメリーの乗った汽車を追いかける姿は真剣そのもの!
人形だから表情は変わらないのだけど、なんとも表情豊かです。
娘もビルの涙に「かわいそうね」と同情し、一緒になって追いかけているのか、汽車に向かって「まってぇーっ!」と叫んで楽しんでいます。