オルガン弾きの老人といつも一緒にいる猿、そしてフランシスとお母さん、主な登場人物の心の思いが表情に表れ、絵本全体の質の高さが実感できました。天使の役を担ったフランシスが、老人が会場に入ってくるを確認して、あたえられた台詞をいう場面は、輝いていて見ているものの心を暖めてくれます。フランシスの心のやさしさには、ついホロっとしてしまいました。
この絵本は何歳の子どもに読んであげる…というより、一人でじっくり絵を読み、ページから伝わる気温の変化を感じてほしいものと思います。
蛇足ですが、フランシスのお母さんは大変美しく描かれていますが、わたしの尊敬するマーガレット・ワイズ・ブラウンさんもこんな方だったのでは?と独り合点しました。