この『うつくしいってなに?』の文を書いている
最果(さいはて)タヒさんは現代詩人のひとりです。
2008年に21歳で第13回中原中也賞を受賞、その後
『夜空はいつでも最高密度の青色だ』という詩集が石井裕也監督で映画化されるなど
活躍が注目されている。
絵を描いているのは、荒井良二さん。
絵本作家として多くの作品を出している荒井さんの絵の魅力は
大胆な筆づかいと眩しいくらいの多彩の色。
どの作品でもそうだが、ぐっと引き込まれる。
そんな二人が作った絵本だから、磁力が強い。
夕焼けの空をみつめている、一人のおさげの女の子。
やがて、夜の気配が押し寄せてくる。
空に星がひとつ、ふたつ。それをみつめる女の子の瞳にも星が。
やがて、夜空一面の星。
絵本見開き2ページいっぱいの星、星、星。
書かれた文は「むげん」。
ここから先の数ページは詩人と絵本作家がまるで格闘しているかのような緊迫の連続。
こういう緊張感は絵本作品では少ないのでは。
タイトルの「うつくしいってなに?」はおわり近くに書かれています。
その答えも書かれていますが、ここではナイショ。
最後のページを開く前に、考えてみてみましょう。