語り口が軽妙で、展開も早いので、すいすい読めてしまいます。
帽子の活躍が楽しく、主人公がどんどん明るくなっていくのも気持ちがいいですね。
最初と最後の状況が同じなので、最初の帽子の持ち主も、主人公の様に、帽子のおかげで大活躍して、素敵な婚約者を手に入れたのかしらなんて想像するのも楽しいです。
いつも、素敵な伴侶と一緒にいる時に飛んでいってしまう帽子。
もしかしたら、幸せな人には帽子は必要ないのかもしれません。
文章のリズムは良いのですが、「退役軍人」「老竜騎兵」「大公の義妹」「老兵は死なず」等の言葉や言い回しが子どもにはわかりにくいので、教室での読み聞かせには、ちょっと難しいかもしれません。
我が家の次男は、食い入るように見ていたのに、「どうだった?」と聞いたところ、「まあまあ」という返事でした。
やはり時代設定や人物設定などが、今ひとつ掴めきれず、主人公に共感するところまでは気持ちが入らなかったようです。