村上春樹さん訳で話題になっていたので読んでみました。
これを機に本田さんの旧訳のほうも読んでみましたが
一番大きな違いは、本田訳「ちびっこ」に対し、村上さんは「少年」としていること、ですます調に変わったことです。それにより、前作に感じた無理やり子供向けにしてる感がなくなり、
少年と木が過ごした時の移り変わり・心のつながりの世界に入り込みやすくなりました。
内容について簡潔に感想を述べるのは難しいですが、
少年から大人になっていくあいだ、木はいつも愛を与え、見守り続けたのです。
村上さんがあえて変えなかった「大きい」と言う題名の意味は、
「心の大きい・懐の深い」という意味だったのですね。
少年と木の関係を、対人のどのシチュエーションで捕らえるか
色んな解釈ができると思いまますが、
いずれにしても、相手を受容するということについて深く考えさせられました。
どちらかというと大人向けに叙情的に生まれ変わった感じがしました。