最初の一ページめは ドキリとさせられます。
自分の誕生日は誰でも知っているけれど、自分が死ぬ日を知っている人は誰もいない…。
これはシニガミさんのつぶやきです。
物語は、様々なものに姿を変えていつも私たちのそばにいるというシニガミさんがコブタとオオカミを見つめながら語るつぶやきで展開していきます。
病気で弱ったコブタ。
腹ペコなオオカミ。
オオカミはコブタの病気が良くなったところで食べてやるつもりで 看病を続け…けれど次第に変化していきます。
その様子をずーっと見守り続けていたシニガミ。
無表情に語り続けるシニガミの最後のセリフがとても素敵です。
ティラノサウルスやにゃーご…。
あのほのぼのとした中に、ホロリとしたり、ドキッとさせられたりの、人間の心にいつの時代も変わらずにありつづけるものをこめたエッセンスがほどよく落とされた、宮西達也さんならではの世界が、ここにも色濃く表れています!小学校高学年や中・高校生にもぜひ読んでもらいたいですね。楽しめると思います。