かれこれ35年以上昔から実家の本棚にあって、その真っ赤な背表紙と不思議な
題名がとても印象的だった本でした。でも、当時の私は本を読むのが大嫌いと
いうか面倒くさくて、この本を開くことは一度もないまま月日が流れました。
そして、息子が年中になった時に本屋に積まれているこの本を見て、初めて手に
とってみたら、当時の息子と本の中の主人公のしげるがとても共通点があって、
とても惹きつけられ購入しました。当の息子も“しげるちゃん”に首っ丈な状態
でした。
ここまでやりたい放題な男の子って、今はもういなくなってしまった気がします。
今の時代には問題児扱いになってしまうことでしょう。でも、この本の中には
それがこどもなのよという優しいまなざしが感じられ、時にはそういうこどもへ
の戒めもユーモアに描かれているところが、この本の醍醐味だなと思いました。
作者の中川李枝子さんは元保育士で、しげるちゃんのモチーフになった子が実存
すると聞いて、妙に納得した本でした。
ちなみに、私の好きな話は冒頭の「ちゅうりっぷほいくえん」と「やまのぼり」
で、息子は「やまのこぐちゃん」が好きだったそうです。
是非、お子さんに読んであげてください。やっぱり名作です。