表紙の和装にも見える黒髪の女性が
主人公の「まほうつかいのむすめ」です。
魔法使いというちょっと洋物っぽい響きなのに
娘がアジア系???
タイトルの前に
「地球を半周飛んでやってきた私たちの娘のために」とあります。
どうもこの絵本は、とても個人的な目的で描かれたように感じ
その気持ちのまま読み進めました。
名前も与えられず、幽閉され、でも何不自由なく育てられた娘の悲哀がつづられています。
ラスト、本当の家族に出会うのですが
人が満たされた気持ちで心豊かに暮らすのには
物で満たされるだけではだめなのだと強く感じました。
娘のセリフが印象的です。
「まほうつかいは、ありあまるほどのものをくれました。けれども、愛と自由だけは与えてくれなかったのです」
訳者のあとがきには
この本が、作者がベトナムから迎えた養女のために書いたとかかれていました。
それゆえに、ちょっと多国籍なタッチの絵なのですね。
1ページ1ページが本当に美しいです。
そして、迎えた養女をとても愛している里親の心があふれています。