森に一匹のくまがいました。春になり、長い冬眠を終えたくまは、穴から出てびっくりします。なんと森は跡形もなく消えて、代わりに工場が建っていたのです。くまは仕方なく人間たちと一緒に工場で働くことになります。くまは、仕事のミスで工場をくびになります。ようやく訪れた自由。しかし、どうしていいのか分かりません。雪が降り積もる中、穴の前で座り込み「何か大事なことを忘れてしまったらしい」と考え続けます。くまの忘れた大事なこととは?
読み手に深い余韻を残し、この絵本は終わります。本当の自分とは?流れに身をまかせるのではなく、自分の意思で自分の道を歩き続けるとはどういうことなのか。。
くまが自分に問うたように、この絵本の読み手もまた同じ事を自分自身に考えるのではないかと思います。
日々の忙しさから開放されるそんな時に、ぜひ大人の方にも
読んでもらいたい作品です。