子供を持つということは、自分には直接はわからない子供の体や心の痛みを引き受けるということでもあると思います。自分の心の傷や痛みなら、なんとか強気で受け止めることはできても、子供のこととなると、私は、つい弱気になり、心配しすぎたりするのです。
でも、ななえさんは違いました。お母さんが目が見えないということで、みきたくんが心を痛めている時に、あわてずさわがず暖かく見守って、さりげない方法で慰め、「こころの目」の大切さを教えているのです。みきたくんがそれを立派に受け止めていますが、それは、みきたくんがうまれてからのななえさん一家の生き方の賜物だと思います。
こんなふうにして大きくなったみきたくんは今いくつになっているのでしょう。きっと、人の心の痛みや優しさに敏感な心優しい青年に成長していることと思います。