「トマトさん」この絵本の表紙の絵、インパクトありますよね。
このトマトさん、ある暑い夏の昼下がりに、トマトの木からどった、と落ちた。
ミニトマトや、とかげたちが、近くの小川の水につかりに行くのに、トマトさんは動かない。
みんなに聞かれると、「泳ぐのなんかみっともない」って言うの。
でも、じりじりと日に焼かれ、ぽろりと涙をこぼして言うには
「私も泳ぎに行きたいよ。だけど、体が重いんだ。」と。
しっかり実ったトマトさん、重すぎて、ミニトマトのように、小川に転がっていけないの。
それを聞いた虫、トカゲやカメたちが、力をあわせて、トマトさんを転がす。
ごろんごろんと転がって、小川に落ちた時のトマトさんのうれしそうな顔。
このどてっとした真っ赤なトマトさんと小川、ちょっとそぐわないようだけど、このトマトさんの存在感がなかなかです。