アンソニー・ブラウンさんの画力とユーモアのセンスに傾倒している私ですが、この作品は世の家事に押しつぶされそうな方たちにお薦めしたい作品です。
「シェイプ・ゲーム」のパロディ化されたシニカルな笑いを誘う作品と同様、この作品もブラウンさんの遊び心満載です。
表紙絵からも想像できますが、口を開け、ソファーから動きもせず、ただひたすらママの甲斐甲斐しいお世話を受けるパパと息子たち。
その姿は、そうまさに原題どおり、ブタですね(笑)。
暗めの色調で、小さなコマ割りで描かれたママの家事の様子と、照明が眩しいくらいのリビングでのパパと息子たちのグタ〜〜〜ッとした様子のコントラストに苦笑い。
ついにママが、“ぶたさんたちの おせわは もう こりごり”と家出。
さ〜〜〜、この後は皆さんも想像がつきますよね(笑)。
読んでのお楽しみという事で。
あとがきのタイトル(原題)の洒落についてを読み、な〜るほど。
さらに、パパの影、何気なく飾られてある名画のパロディ化、ママが出て行った後の壁紙やソファーの模様、台所の水道の蛇口、電話機、外の狼の影、などなど、数えが上げたら切りの無いユーモアたっぷりに出現するブタ・ブタ・ブタ・・・。
家事を一人で背負っている大人の方(お母さんが多いのかな?)たちへ
読んで笑って、日ごろの憂さを吹き飛ばしましょう。
そうそう、我が家も少々家事に関する業務分担の再確認をしましょうかね(笑)。