改めてこの本を手にとってみると おはなしの流れが
幼い子でも共感できるつくりになっていることがわかる
サンボは大きな危機にさらされるのだが
それを自分の機転で何度も何度も切り抜ける
(くつをトラの耳にはかせるなど秀逸ではないか)
しかもその恐ろしい敵がバターに変わり ホットケーキで
満腹するという大満足の結末が用意されているのだ
アメリカに起因する人名問題やステロタイプの
黒人表現などが問題視され一度は書店から姿を消した
それでもその存在を抹殺することはできなかった
図書館では利用できたし 各家庭でも所蔵されていた
家にある版は今25歳の息子が就学前に購入したもので
奥付を見ると1986年12月5日第37刷となっている
あの絶版騒ぎがおきる少し前のことだ
20数年後の今ではいくつものバリエーションで
サンボの絵本を購入することが出来る
それはこの本が このおはなしそのものが持っている
力の何よりの証明ではないだろうか
結局本の寿命を決めるのは その本の力だと思う