今日(=3/1)は、父の命日です。
最近は、毎晩、次女のリクエストに応えて『番ねずみのヤカちゃん』を読み続けていますが(飽きるまで続きます〜!苦笑)・・・せめて、大切な人の命日くらいは、しんみりした絵本も読んでみたくて、本棚から引っぱり出してきました。
飼い猫スターキティの目を通して語られる、エルマおばあさんの最後の1年間。
しかも、モノクロの写真絵本というのにも、惹かれます。
血液のガン(多発性骨髄腫)にかかってることを、医者から告知された85歳のエルマおばあさんが、残された時間をどう過ごしたか・・・???
「最後まで、楽しみながら生きたいね」
病気に侵されながらも、きちんとお化粧をして外出したり、大好きな庭の手入れをしたり、普段通りの生活を心がけます。
また家族の歴史を書き綴り、延命治療はしないでほしいと書類にサインしたり、残される人々のことを深く思いやる行動をとり、家族に囲まれた自宅で、自然に逆らわず静かな最期を迎えます。
日本とアメリカでは、文化も考え方も医療制度も社会のしくみも、かなり違いがあると思いますが・・・エルマおばあさんのように、潔く旅立ちの準備ができたら素敵だな〜と、心から感じました。
退院することもできず、病院のベッドで息を引きとった父の最期の姿を思い出し、もっと他の道はなかったのか?と心がチクチク痛んだりもします。
愛情あふれる写真を撮り続けたのは、もちろん、猫ではなく、人間です!
作者の大塚さんは、エルマおばあさんの親族ではありませんが、13人目の孫と呼ばれるほど、かわいがってもらい、亡くなるまで、そばにいたそうです。
最期のシーンは、やはり声がつまり、涙で字がぼやけ、読むのがやっとでした。次女も声をあげて泣きながら、最後までしっかり聞いてくれました。1か月前に87歳で亡くなったひいおばあちゃんの姿とも重なったのでしょう。(このまま眠りにつかせるのもかわいそうなので、やっぱり『ヤカちゃん』も読みました!)
小さい子でも、生と死について考えることができる、とても良質な絵本です!ぜひ、皆さんも読んでみてくださいね。