亀山達矢さんと中川敦子さんによるユニット、「tupera tupera」さんの絵本の魅力は、多彩な色づかいと造形の妙ではないだろうか。
そのユニークな名前を一躍有名にした『パンダ銭湯』や『しろくまのパンツ』はなんといっても色をたくみに絵本として生かした作品だろうし、それより以前の作品ではあるが、この『へびのみこんだ なに のみこんだ?』(2011年)という長―いタイトルの絵本で、形の面白さを生かした作品になっている。
タイトルでもわかるように、この絵本ではへびが何かをのみこんだせいで、その姿かたちが少し変わっているのをシルエットで見せ、ページを繰ると、のみこんだ中身が色鮮やかに描かれている仕掛けになっている。
よくあるといえばありそうな内容だが、そこは、「tupera tupera」さんのアイデアと色づかいで、笑いと納得感にあふれた作品になっている。
私が気に入ったのは「だいすきだから のみこんだ」もの。
へびのシルエットはほとんど変わっていない。
それは、かわいいピンクのへび。
へびがへびをのみこんでも、たしかにそんなに形は変わるわけはない。
おしまいにこのへびがのみこんだものが、すごい。
なんと太陽! しかも、この太陽の絵がとても素敵なのだ。
アイデアもユニークだが、絵の素晴らしさに圧倒される。
子どもたちが夢中になるのも。わからなくはない。