大好きだった祖母が、末期ガンだと知らされ、京都で働いていた私は実家の静岡へ戻りました。最後は祖母のそばでお世話したくて・・・
毎日、祖母の家へ通い、日に日に足が立たず、寝たきりになり、食欲が落ち、カラダを痛がる姿を介護して、最後は祖母をちゃんと見送る事が出来ました。
大切な人との別れが、もうすぐやってくると解っていても、もしかしたらまた歩けるんじゃないか・・・もしかしたら・・・となかなか受け入れられなかった介護生活。
ねずみが、もがく日々と同じです。
でも、いよいよ、自分の中でそれが叶わぬ希望だとわかってくると、祖母が安心して苦痛のない世界へ旅立てるように、心のどこかで準備し始めていた自分を、冷たいのかと責めたこともありました。
この絵本を読んで、もう祖母の死から10年以上たった今、あの頃の私に、「よく頑張ったんだよ」って慰めてくれたような気持ちになりました。
ありがとう・・・って言いたくなりました。
私の子供たちに、まだ「死」は身近ではありません。
ねずみや、ぞうの気持ちを理解するのは難しいのかもしれません。
でも、避けて通る課題ではないので、もし彼らの大切な人の「死」が身近になる時には、ぜひこの絵本でなにか伝えられたらいいなと思います。