あの『よるくま』の作者が送る雪の日の物語。
今回の主人公は仔うさぎ。
大雪が降った日、「えん」はバスが通れなくてお休み。
お母さんも買い物をやめてお家にいます。
仕事で遠くにいるお父さんは飛行機が飛ばなくて帰ることができません。
明るさを押さえた色彩が、大雪の降った真冬の空気をよく表していると思います。
母親は風邪を引いたら大変とばかりに子供を外に出したがりませんが、子供は興味津々。こっそりベランダに出ます。そんな細かいところがすごくリアルです。
「大雪」に対する、小さい子のわくわくした気持ちと現実的な問題がバランスよく描かれています。
『よるくま』もそうでしたが、この作者の色彩感覚はすばらしいですね。
今回は一見、地味な色遣いですが母と子の暖かい場面に気持ちがじんわりとしてきます。
まさに冬にぴったりの一冊です。