おかあさんにお薦めします。
お母さんを待っている男の子。
寒さで、鼻を赤くして。
停車場によじ登ると、路面電車のやって来る方をじっと見つめています。
電車が入って来るたび、運転士さんに「ぼくの かあさんは?」と聞きます。
お買い物か何かに行ったお母さんを待っているのかと思いましたが、定時にここに来ているのかな?
と、するとお勤めのお母さんを待っているのかな?
「きみが まちぼうけぼうやだね」の運転士さんの言葉に、もしかしたら、ずーっと帰ってこないお母さんを待って毎日ここに来ているのかな?
とも考えてしまいました。
停車場での男の子の待つ様子がいじらしい。
こんな幼い子が、電車を何本も見送るくらいの長い時間、寒い中いるかと思うと、切ないですね〜。
特に、チンチンという音と共に電車が去り、一人男の子が停車場に残されるアングルは、見ていて辛かった。
時間の経過をあらわす空模様の変化、この色で描かれた雪空は見たことがありません。
とても、心を動かされました。
ラストに親子の姿を見つけて、ほっとしました。
こどもの“母親を求める真っ直ぐで純粋な想い”が静かに熱く伝わってくるお話しでした。