絵だけ見ると、「恐竜の戦いもの」かと思うほどですが、内容は心にジーンと来るお話です。
はじめは、絵と内容が、合っていないように思いましたが、そうではなく、この絵だから、子供の読み物として読んであげられるのでしょう。もっとやさしい絵ならば、きっと最後まで読んであげられません。
マイアサウラの子供として育てられた、ハート。自分が実はティラノザウルスだという事実を知り、葛藤しながらも、自分がどう生きるべきか、決めるのです。
はじめの場面。マライサワラのお母さんが卵を大事に育て、孵らせる場面、赤ちゃんを育てる決意をする場面は、とても優しい気持ちになれて好きです。強い母性を感じます。
自分がティラノザウルスだと知らされる場面。
「うそだうそだ…」
と泣きながら、訴えるところがとても切ない。
うまくいえませんが、とにかく大好きな絵本です。
でも、子供は、そんなに、繰り返し読んで欲しいと言ってきません。
彼には、お母さんと離れ離れになってしまうこの本は、悲しすぎるのかもしれません…