骨董屋さんをしているひいじちゃんを訪ねました。この部屋の中で一番好きなものを選んでと言われ、手にしたのは箱。ふたを開けると、マッチ箱がたくさん入っていました。そのひとつひとつがひいじいちゃんの日記だったのです。字を読んだり書く事ができなかったので、マッチ箱に入れておくことで、その当時の記憶が蘇る。
イタリアでの貧しい生活、移民として家族でアメリカに渡り、当時の船旅の様子、父親との再会、アメリカでの仕事のこと…ひとつひとつの出来事を、詳しく話してくれるひいじいちゃんの話に、読みながらじんわりとその世界に入ってしまいました。
紙質、使われている色もなかなか味があり、おとなも引き込まれていく世界です。部屋の中の様子も細かく描かれていて、ひいじいちゃんの今の生活も窺い知ることができます。話を聞き終わって、女の子のした行動にも、その気持ちがよく表れています。