やっと植木屋さんの読める季節になりました。(去年の秋に購入したので、新緑の季節が非常に待ち遠しかった……。)作品は他のシリーズと同様につつましいくまさんの生活が淡々と描かれるだけですが、淡々の中には幼児の心に響くものがたくさん登場します。まず、くまのぬいぐるみの存在、まわりのあたたかい人々、擬音語の繰り返し、身近な題材。娘は、いつもこの作品に魅せられますが、今回は想像以上の興奮のしかたでした。
その原因を考えてみると、まず自分の生活の中で、父親が毎日芝刈りをしていたこと、ひまわりの種が芽を出したこと、お店屋さんごっこに夢中になりお金の存在に興味を持ち始めたこと、すべてが重なり合ったことでしょうか。本当に、かなりの喜び方だったのです。庭の道具(特に手押し車)も魅力的なようです。おとなりのおばあさんも味わいがありますね。しかしながら、一番のお気に入りはくまさんが畑の収穫物を屋台で売る場面で、今年の夏はくまさんと同じように収穫物を売りたいと言い出しました。つまり、とりあえずはさくらんぼとりんごになりますが、ご近所のみなさまには今までお分けしていたものだし、買ってもらえるかなあ。子どもが売れば、買っていただけるのかもしれませんね。などなど、さわやかな畑・お庭の季節がやってきて、最高に盛り上がった一冊となりました。