自己の体験をもとに家族のふれあいの大切さを訴え続けている上條さなえさん。
彼女のお母様は、いつも戦死した夫の会社製のキャラメルを前掛けのポケットに入れていたそう。
この作品はそんなお母様からの伝言だと言います。
夏休みに小学生のしんのすけくんがおばあちゃんから聞いた話。
それは戦争中、病気の弟についてしまった嘘のお話でした。
嘘をついたことをずっと後悔していたおばあちゃんに、しんのすけくんは…
戦争を背景としたお話でありながら、暗い感じはなく、心がじんわりと暖まるようなお話でした。
嘘のひとつやふたつ、誰でもついたことがあると思います。
仕方のない嘘であっても、ずっと心の片隅にシミのように残ってしまうものです。
戦争も同じ。消えることなく人の心に残っていくものなんだと感じました。