生まれたばかりの山姥の娘まゆ。さっそく雲に乗って暴走中に出会った人間の男の子 啓太。
呼ぶ子を吹けばまゆが飛んできて、今日も啓太はやまんば山で不思議冒険です。
雪女に追いかけられて、カッパと相撲をとって、挙句の果てに光を放つ洞窟へ。それからまゆのお誕生日にはシングルマザー山姥のそれは美味しい手作り料理をたんと食べましたよ。山のみんなとね。
やまんば山の四季を描いた短編がたくさん詰まって一冊に。
やっぱりカッコイイやまんば母ちゃん。力持ちパワフル子育ての中でのびのび育つまゆ。
想像力にあふれた富安ワールド、すべての源。ご本人も仰るとおり、すべてのお話の基なのだそうです。言われてみれば、どれもこれもやまんば山に通じています。
相も変わらず料理が美味しそうで美味しそうで。やまんば餅、クルミの蜜煮…どれもこれも美味しそう。
自然の中から賄えないものはちゃんとお金を持って買いに行くなんて、イマジネーションに満ち溢れています。
我が母なんかは、このお金が、さらにどこから出てきたのか考えながら読んだのだと言っていました。そんな風に世界に入って楽しめる一冊です。
オムニバスなので一話づつ読み聞かせてもいいですね。木のにおいのする風を頬に受け、元気いっぱいになれますよ。