生まれる生命、終焉を迎える生命・・・。悲喜哀歓、それぞれの夜を迎える生命ある者たちを包んで過ぎていく夜を淡々とえがきます。
詩の本です。自分だけ、または自分の家族だけと思っている夜にも、窓の外を眺めると、十人十色の夜があります。
息子と読んだのですが、息子には少し難しい夜もあると思いました。「のみつぶれる よる」、「でんわも ない、てがみも こない ひとりぼっちのよる」などは、大人または大人になっていく過程のものだからです。
病院では、新しい生命を祝う一方で、消えかかっていく命に祈っています。誰にでも平等に夜は来て、過ごし方もさまざまで、いろいろな意味を持っている夜。私は読みながら、夜は再生の時間ということを思いました。
読んだ人の数だけ、心に思うことも違ってくる絵本なのではないでしょうか?
子どもと読むよりは、子どもが眠ってしまってから、いろいろなことに思いを馳せながら一人で読みたい本だと思いました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子6歳)
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