![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
宮沢賢治の文学作品にはたくさんの鳥たちが登場するのを知っていますか?
『よだかの星』に出てくるヨタカやカワセミ『セロ弾きのゴーシュ』に出てくるミミズク、『二十六夜』『林の底』に出てくるフクロウに、『銀河鉄道の夜』に出てくる白鳥など。
賢治は多くの童話や詩に鳥たちを描き、そこに人間の世界を投影する事で、様々な願いや憧れ、祈りを託してきました。
この絵本は、そんな賢治作品を丹念に研究してこられ、野鳥の研究でもたくさんの著作がある国松俊英氏の文章に、舘野鴻氏の美しい絵を添えた絵本です。
賢治の野鳥を観察する温かい目と、文学作品に込められた深い願いを、鳥ごとに紹介し、その鳥が作品の中でどの様に描かれているか、また、何故その鳥だったのか、様々な背景も紹介しています。
大胆な構図と詳細な鳥の絵は、賢治の幻想的な文学作品の世界観をより広大に、奥深く感じさせます。
巻末では、妹トシを弔う賢治が白鳥座と共に岩手から樺太へ旅行し、その旅で見た風景がのちにあの『銀河鉄道の夜』を生み出した事を紹介しています。 トシの魂と交信しようとした賢治の心情や、美しく輝く白鳥座、栄浜の波の音までも聞こえてくるようで涙が溢れました。
(福田亜紀子 元絵本編集者)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
宮沢賢治の童話や詩には、たくさんの鳥が登場します。その数はヨタカ、フクロウ、カッコウ、トキなど、数えると70種類以上になります。
地質調査、植物採集、登山など、賢治はいつも野山を歩きまわっていました。 いろんな季節に、いろんな場所で、飛んでいく鳥、さえずる鳥、休んでいる鳥たちに出会い、親しくなっていきました。 そして鳥の美しい羽や、すばらしい歌に魅せられたのです。 そうして賢治は多くの童話や詩に鳥たちを描き、自分の願い、あこがれ、祈りを託したのです。
賢治の作品に登場する鳥たちを、細密画と文章でつづり、賢治の自然への思い、小さな生き物への愛情を伝える絵本。
|