おばあちゃんがくれた「えにっき」のおかげで、たくさんの願いが叶った。苦手だった水泳もできるようになったし、あたらしい友だちもできた。だけど、苦手がなにもかもなくなったわけじゃないし、もっと大きな夢や目標もある。 「もしできなかったら」とかは考えず、「必ずできる」と自分に言って、努力する。そうすればきっと、願いがかなう。今回もそれをやってみよう。
『願いがかなうふしぎな日記』シリーズの主人公、光平もついに6年生! シリーズを通して、おばあちゃんの「えにっき」と共に試行錯誤をくり返しながら、光平はさまざまな目標を達成してきました。
こうなればもう、どんなチャレンジだって怖くない! と思ってたのに、いくらがんばっても、なかなか目に見える成果が出なかったり。しっかりこなしていたつもりだったのに、がっかりの結果になってしまったり……。あらたな苦手や失敗が、おおきな壁となって光平の前に立ちはだかります。
本書のみどころは、そんな壁に立ち向かうなかで光平が見せる、工夫の数々! たくさんの願いを「えにっき」と自分の力で叶えてきたという自信に支えられている光平は、どんな困難にもめげません。かといって、ただ「がむしゃらに、やみくもに、根性でなんとかする!」という方法を、光平は選びません。
あこがれの人を参考にして、深く集中するための「秘密基地」を作ってみたり、言葉が難しくて読み進むことができない本に対しては、別の翻訳家のものを読んでみたり、いろいろなアプローチを取りながら、自分なりに課題に取り組んでいきます。
「ゲーム感覚を取り入れ、どんな条件が読書に適しているか、実験してみようと考えた。前に言葉だけ思いついた「集中力の研究」だ。 音楽を流す、お菓子を食べる、テレビをつける、寝転ぶ、姿勢を正すなど、自分の状態や環境を変え、条件と集中力との関係を考察してみる。」
以前読んだ本。授業で習った英語の格言。お互いに目標を共有し合う友人の言葉。身の回りあるさまざまな気づきや学びをアイデアに変えて、少しずつ努力の仕方を工夫していく光平。そのまっすぐな姿勢を見ていると、どんな激励よりも強く背を押され、はげまされている心持ちになります。
ふしぎな日記といっしょに学んだ、がんばる≠フやり方がいちばんの武器。苦手も夢もいっぱいの光平が過ごす、小学生最後の一年がはじまる!
(堀井拓馬 小説家)
小学6年生になった光平は、クラスメイトの木の内さんや岩崎くん、山下くんに、幼虫から育てたカブトムシをあげようと考えていた。そして、苦手な鉄棒の技にも挑戦しようと決意する。 去年の夏、「ぼくは泳げるようになった!」と日記に書いたら、ほんとうに泳げるようになった。実現したい目標を先に書き、そのあと練習を重ねることで目標を達成することができた。 今年の夏も「山下君と日記を見せあった」「育てたカブトムシを友だちに分けてあげた」「『夜間飛行』を読み終え、読書感想文を書いた」などの目標を立てて努力すれば、かならず上手くいくはずと思っていた。 小学校最後の夏休みに向けて動き始めた光平。ところが、カブトムシの幼虫の飼育に失敗するなど、上手くいかないことも多く……。 失敗や挫折を経験しながらも、努力することの大切さを描いた一冊。 「読書感想文におすすめの本」として好評の『願いがかなうふしぎな日記』、『願いがかなうふしぎな日記 光平の新たな挑戦』に続くシリーズ第3弾。
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